Zview

[インサイト事業部]

年100万円課金は普通 二次推しZ世代が語る“推し活”のリアル

”推し活”という言葉をご存じでしょうか。

推し活とは、自分にとってお気に入りの人やキャラクターを、さまざまな形で応援する活動を指す言葉です。SNSの発達により、推しに対する共感や発信が身近になったことで、推し活が流行しています。

そんな推し活を実際にしている20代の女性ふたりにどんな推し活をしているか、作品と商品とのコラボについてどう感じているかなど、リアルな推し活をお聞きしました。

推し方は人それぞれ。でも作品を愛していることは同じ

ーー まず推し活について教えてください。

pom:
あまりに日常すぎて何から話したらいいのやら…(笑)。何か推しているものがある人にとって、推すことは当たり前なので、そこまで特別な行為ではないと思うんですよね。

河本:
推しているものも人それぞれで、アニメやマンガの人もいれば、アイドルのように実際に存在している人を推している場合もあります。

私の推しは2次元なので、現実世界には存在していません。キャラクターは人間よりも情報量が少ないので、自由に推しへのイメージを膨らませやすく、逆に日常と感じるのかもしれません。また、普段からグッズを持ち歩いているので、日常の一部になっています。

ーー 日常の一部に好きな人がいるという感じですね! さらに掘り下げたいのですが、推し活では具体的にどんなことをしていますか?

pom:
わたしは推しのグッズを買う、イベントに行く、聖地巡礼をすることが多いですね。今年は推しの映画の公開があったので聖地巡礼をしました。作中で登場した場所に行ったり、推しが食べていたご飯を食べたりしましたね。

他には、推しが身につけている服やアクセサリーと似たものを探すことや、手作りすることもあります。

河本:
推し活には人それぞれいろんなやり方があって、正解はないと思います

好きなキャラクターのイラストを書いたり、2次創作をしたり、コスプレをしてそのキャラクターになりきったりする人もいますね。

私はグッズを集めるのが好きで、よく「痛バッグ」を作っています。痛バッグは、キャラクターのグッズで装飾したバッグのことで、バッグ一面に同じ缶バッジをバーッと付けるのが定番スタイルですね。

グッズを集めるのは自己満足でもありますが、推している本気度を示す“勝負意識”みたいなものもあるのかなと思います。

たとえば、推しの誕生日に集めたグッズを並べて写真を撮り、SNSに投稿するファンは多いです。持っているグッズの多さがすべてではないけど、推しに対する愛の大きさをアピールするひとつの手段なのかも。

生活の中で推し活の優先順位はかなり高い

ーー お金の質問で申し訳ございませんが、おふたりは推し活にどれくらいお金を使っていますか?

pom:
年間で130万円程度かと思います。基本的には毎月5万円ほどで、イベントがあると大きく上乗せするイメージ。今年は自分の推しが出る映画が公開されたので、映画の前売り券を80枚近く買って、布教のために友だちに配りました。

河本:
私は月に5-10万円、年100万前後かなと。大学生ということもあり、収入がアルバイトとインターンだけなので、収入の良し悪しによって使う金額は前後します。

ーー 凄い額ですね…! 推し活費は、支出のなかでもかなり優先順位が高いのですね。

pom:
家賃、水道光熱費の次くらいに重要ですね。その後に食費で、残ったら服を買ったり、旅行に行ったりします。

河本:
私も同じで、かなり優先順位が高いです。…というのも、推しているのが人気コンテンツであれば、自分1人の力なんて大したことありませんけど、マイナーコンテンツなので…(笑)。

これからも続いてほしいからこそ、自分が作品に貢献しようという気持ちが強く沸くんですよね。

「コラボしておけばファンは買うだろう」は甘い。実際にあった微妙なコラボとは

ーー 最近、作品と企業が商品のコラボをすることが多くなりましたが、おふたりはコラボ商品についてどう感じますか?

pom:
私が推している作品は人気コンテンツなので、コラボの回数もグッズの発売頻度もかなり多いです。とてもすべては買えないので、自分のなかで取捨選択はしますね。そういう人は結構多いんじゃないかなぁ。

特に、メディアミックスされている作品には、「原作絵」「アニメ絵」「デフォルメ絵」と3種類の絵柄でグッズが展開されるので、私の場合は「原作絵」「アニメ絵」のグッズだけを集めています。

コラボグッズに関しても同じ基準ですが、コラボしている作品と商品に関連性が見えたほうが好まれるように感じます。

たとえば、以前たこ焼き屋とコラボしたことがあったのですが、作品中にたこ焼きが登場したわけでもなく、キャラクターの好物でもなく、コラボ理由が背景がわからなかったんですよね。「コラボしておけばファンは買うだろう」というのは少し甘いと思います。

河本:
キャラクターや作品の解釈がそれぞれのファンのなかにあるので、人によっては違和感を感じるコラボもあると思います。

私がいま推している作品は、最近メディアミックス化されて上り調子で、この夏4つのコラボをするのですが、なかにはセンスがないなと思うものもありました。

値段相応ではなかったり、ファンを大事にしていないと感じるコラボは、足元を見られている気がして納得がいかないですね。

ーー コラボを企画する側がきちんと作品やキャラクターを理解したほうが、ファンに刺さるコラボになる可能性が高そうですね。本日はありがとうございました!