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[インサイト事業部]

独特でシュールなネタでもバズる? コントアニメでファンを集める『ぼくわたチャンネル』なたろう、ネタ作りのコツ

「ゆるーい感じのイラストなのに、内容がシュールで好き」

「脳死でも見られるのに、おもしろすぎて寝られない!」

そんなコメントが集まっているのは、独特なイラストとキャラクターたちのテンポの良いかけあいが特徴のアニメーションをYouTubeで配信する「ぼくわたチャンネル」

チャンネル登録者数は35万人以上。有名映画のパロディや、昔話に出てくる単語をすべて対義語にする「対義語シリーズ」など、さまざまなコントアニメーション動画を毎日配信しています。

https://youtube.com/@bokuwata_ch?feature=shared

そんな動画を手掛けているのは、チャンネル運営者のなたろうさん。なんとイラストの制作から台本作り、動画編集、アフレコまですべてを1人で行っているのだとか!

今回はなたろうさんに、ぼくわたチャンネル始動のきっかけや、視聴者にゆるく確実に笑いを届ける動画制作の裏側をお聞きしてみました。

▼「ぼくわた」の愛称を持つ僕と私と株式会社は、以前にぼくわたチャンネルさんとコラボをさせていただいたことがあります

YouTube始動に向けて、SNSで発信を開始

ーーなたろうさんは、2022年の3月にX(旧Twitter)を始めていますが、どのようなきっかけで発信を?

なたろうさん:
僕はもともと趣味で絵を書いたり動画編集をしたりしていたのですが、それまで特にSNSに投稿したり多くの人に見てもらったりする機会はありませんでした。

Twitterを始めたのも、前職の仕事が夜の時間帯だったため、空いた時間を活用して趣味の動画編集や絵を描くスキルを使って何かしたいと思ったことがきっかけです。

本当にやりたいことはYouTubeでの動画投稿だったのですが、YouTubeはなかなか新しい人に見てもらうのが難しいので、先にTwitterで動画クリエイターの皆さんと繋がったり、ファンを作れたら良いなと思っていました。

ーーYouTubeでの活動を見据えてTwitterを始められたんですね! 当初は何か目標があったのでしょうか?

なたろうさん:
せっかくやるならとことん頑張ってみようと思って「1か月で100フォロワー」と目標を立ててみました。

でも、本当に大変なのは100フォロワーから先でしたね。

最初の100人は僕と同じように4コマ漫画のようなものを投稿している皆さんをフォローしたり、コミュニティに飛び込んだりすることですぐに達成できたのですが、1000フォロワーまで増やそうとすると僕の絵やコンテンツのファンになってもらう必要があるんですよね。

ーーなるほど。そこからYouTubeでの活動がスタートしたわけですが、実際に投稿を始めてみていかがでしたか?

なたろうさん:
予想していたほどの反響は得られませんでした。たしかにフォロワーさんも見てくれたのですが、YouTubeを見てくれるのはどちらかというと家族や友人など、もとから知り合いだった人が多く、最初は500回〜1000回再生ほどにしかならなかったんです。

1番最初にいわゆる「バズ」を経験したのは、YouTubeを投稿しはじめて3か月が経ったころに投稿したジブリ作品『千と千尋の神隠し』のパロディー動画です。

当時は収益化の1つの基準である1000人まで登録者数を伸ばそうと頑張っていたのですが、投稿前は500人ほどだったチャンネル登録者が、一晩で一気に5000人ほどになりました。

この動画はただ投稿するだけでなく、ショート動画としても投稿していたのですが、それがおすすめに載ったことで新規の方がたくさん見てくださるようになったんです。たった1本でこんなに変わるのかと驚きました。

あと、一気に登録者の方が増えたのは、2023年の3月頃にアップした「停まらないキッチンカー」です。

当時は登録者数5〜6万人ほどだったので「今年中に10万人までいけたら良いな」と思っていたのですが、この動画を上げるとほんの数日で10万人を達成し、2023年には最終的に30万人の方にチャンネル登録をしていただくことができました。

ーー30万人以上の方に応援してもらうことは、活動を始めた当初予想していましたか?

なたろうさん:
期待はしていましたが、まさかここまで多くの人に見てもらえるようになるとは思っていませんでした。

実は僕、YouTubeを始動させた1〜2ヶ月後に個人的な事情で仕事を辞めまして。1年ほど仕事を探しながらYouTubeを頑張ってみて、これだけで生活できれば続けて、ダメだったらYouTubeは諦めて働こうと思っていたんです。

さすがに難しいのかなと思っていたのですが、無事に続けることができて、いつも動画を見てくださる方には感謝しかありません。

“しょうもない”は、わかりやすい。お笑いアニメーションのネタ作りの裏側

ーーなたろうさんの動画はシュールなイラストのほかに、ネタやワードセンスでも人気を集めていると思います。たとえば1番最初の動画「桃太郎の対義語」はどのように思いついたネタなのでしょうか?

なたろうさん:
多くの人に見てもらえて再生数が伸びそうな動画を作ろうと思ったとき、重要なのは「わかりやすくおもしろい」ことなのではないかと考えたんです。

例えば、僕は音楽の時間に歌った曲を替え歌にするなど、小中学生が思いつくような“しょうもないこと”が大好きなのですが「わかりやすくおもしろい」って結局そういうことだと思うんですよね。

そこで最初に思いついたのが、何かを「対義語」にしてみることでした。

しかしその「何か」が難しくて、対義語にするシリーズはすでにやり尽くされてしまっていたんですよね…。最初は人気の曲を対義語にしようと思ったのですが、パクリになってしまうのはいけないので、まだ誰も手つけてない領域を探しました。

そうしてたどり着いたのが「昔話シリーズ」でした。結果的にその動画が爆発的に伸びることはなかったのですが「しょうもなく、わかりやすいおもしろさ」をお届けするスタンスはずっと変わりません。

ーー「しょうもないこそわかりやすい」。たしかに納得です! ほかにもさまざまな人気シリーズがあると思うのですが、ネタはどう思いつくのでしょうか。

なたろうさん:
何を取り上げるかは、基本的にテーマのかけ合わせで決まっていますね。シチュエーションや全体テーマと、イベントやアクシデントなど、「そこで何が起きるか」を1つ決めるんです。

そのシチュエーションでどんなことが起きれば面白いのか。どんなものだったら思わずツッコみたくなるのか。それを考える味付けのような作業です。

例えば「野球」だったら「野球なのにチームメンバー1人しかいない」「キャッチャーがバットを持ち、バッターがグローブを持つ」など思いつく限りの要素をあげて、どのスパイスを加えれば一番おもしろい動画ができるのか考えます。

ーーなたろうさんの動画は「テーマ」と「スパイス」でできているのですね。ちなみに今は毎日投稿をされていますが、ネタ切れになったりすることはないのでしょうか…。

なたろうさん:
正直、つねにネタ切れと戦っていますよ!(笑)ネタを決めるときに大変なのは、先ほど挙げた例でいう「野球」に当たる部分を考えることなんですよね。

基本的にはパッと思いついたときにiPhoneのメモ帳にネタを書き溜めているのですが、自分ひとりだとマンネリ化していくので、友だちや奥さんにテーマとなりそうな単語をもらったり、シチュエーションを提案してもらったりしています。

ぼくわたチャンネルをプラットフォームに、動画以外の創作にも取り組みたい

ーーなたろうさんは動画の配信だけではなく、生配信でもファンの皆さんと交流されていますよね。

なたろうさん:
そうですね。生配信はチャンネルがまだ小さなころから始めていたのですが、ここは僕のチャンネルを好きと言ってくれる人が集まれる場になれば良いと思っていて。

とはいえ、僕は1人で雑談をするのがあまり得意ではないので生配信には奥さんにも出演してもらっています(笑)。ファンの皆さんにも受け入れてもらっていて、​やねぴ(奥さんの愛称)は今では僕のチャンネルを表すキーワードの1つになっています。

ーーファンとのフランクなコミュニケーションもまた、ぼくわたチャンネルを構成する要素のひとつなんですね。最後に、2024年にやっていきたいことや挑戦したいことを教えていただきたいです!

なたろうさん:
毎日投稿は、何かアクシデントが起きない限り続けたいと考えています。僕は夏休みの宿題は先にやってしまいたい派なので2週間ほど先までストックを作っているのですが、ストックの減りに先を越されないよう頑張りたいと思います!

あと、個人的な趣味として、頭を使いながらみんなでワイワイできるゲームが好きなので、今年はボードゲームのプロデュースや、スマホゲーム作りに挑戦してみたいです。作詞作曲もやってみたいですね。

ーーぼくわたチャンネルの世界観で展開される動画以外のコンテンツ、とても面白そうです!

なたろうさん:
たしかに世界観は独特ですよね…。僕の動画はコメント欄や配信の際によく「シュールで好き」と言っていただくのですが、自分でもお笑いの世界観やネタが独特だとは自覚はしていて(笑)。

僕がこのチャンネルでお笑い系の動画を作っているのも、自分のお笑いのセンスがどこまで通用するか試してみたいという気持ちが少なからずあったりするんです。だから、まずはここまでやってこられたことに感動しています。

これからもくだらないおもしろさを届けながら、ぼくわたチャンネルを僕のやりたいことを叶えるプラットフォームとして、どんどん新しいことに挑戦していきたいと考えています!