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[インサイト事業部]
地方創生にはデジタルマーケティングが有効!施策ポイントと成功事例は?
地方活性化や地方創生の戦略として、WebサイトやSNS、コンテンツマーケティングなどのデジタルマーケティングを、活用する自治体や企業が増えています。
地方創生を推進するには、若者に魅力を伝える必要があるため、デジタルマーケティングを用いて地方の魅力を発信し、ファンを増やすことが必要不可欠です。若者に地方の魅力を認知させることで、デジタルマーケティングは効率的な施策となるでしょう。
しかし、今まで取り組んだことのない、デジタルマーケティングに地方自治体が取り組むのは難しい部分も多くあります。
そこで本記事では、地方創生におけるデジタルマーケティングの重要性について解説します。
- デジタルマーケティングの重要性
- 地方創生でデジタルマーケティングを進めるためのステップ
- 地方創生×デジタルマーケティングの成功事例
この記事を読むことで、地方創生の取り組みでデジタルマーケティングを活用すべき理由が理解できます。
地方創生とは
地方創生とは、それぞれの地域で住みよい環境を確保し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目指すものです。
近年、日本の人口減少や東京圏への人口過多が、問題になっています。そのため、地方人口が減り、地方では経済の縮小、空き家など、問題がたえません。以下で、地方創生について詳しく解説します。
地方創生が注目を集める背景
地方創生が注目を集めるのには、日本が抱える重要問題が理由に挙げられます。
1つ目は、人口減少と超少子高齢化です。日本の総人口は2008年をピークに減少傾向に転じていて、このままでは2050年に1億人を下回ると予測されています。少子高齢化により、生産年齢人口も減少しており、地方の労働者不足のニュースをよく見るようになりました。
参照URL:総務省統計局「統計が語る平成のあゆみ 人口減少社会、少子高齢化」
2つ目は、東京への人口一極集中化です。現在東京では総人口の1割が暮らしていると言われており、地域衰退の原因として問題視されています。2040年までに、行政機能の維持が困難となる可能性のある自治体が全国で896もあり、2014年には消滅可能都市に定義されました。
参照URL:国土交通省白書2020 東京一極集中と地方への影響
これらの背景から地方が特色を持った魅力や独自の生産性によって、持続可能な環境を獲得していく地方創生が重要視されています。
DX推進により地方移住へ関心が高まる
そんななか、コロナの影響により、リモートワークに取り組む企業が増加し、地方移住への関心が高まりました。内閣府が2023年3月に実施した調査によると、コロナ前に比べて東京23区に暮らす人の地方移住への関心度が、5%高くなっています。
参照URL:内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
全国の自治体でもDXを推進している自治体では、移住の相談が増えたなどの調査結果があります。今後、自動運転による公共交通機関の発達、ドローンによる配送などが技術革新により導入されることで、より地方での生活がしやすくなることが期待されます。
政府でも住みやすい地域社会の実現に向けて支援を行う、スマートシティプロジェクトの取り組みが開始されました。
デジタルマーケティングとは
今、地方創生において、デジタルマーケティングが注目を集めています。デジタルマーケティングとは、インターネットやSNSなどのデジタル技術を活用したマーケティング手法です。
オウンドメディアやWeb広告、SNS運用、デジタル広告などを用いて、認知を広げ、新たな観光客や企業を呼び込めるのではないかと期待されています。
デジタルマーケティングの重要性
デジタルマーケティングは現代ビジネスにおいて、重要な戦略のひとつになっています。
デジタルマーケティングでは、オフラインよりも多くのデータを収集でき、そのデータを分析することで顧客理解を深められます。そうすることで、よりユーザーに刺さるプロモーションやマーケティング施策を推進することができるでしょう。
従来は雑誌広告やポスティング、ポスターなどのアナログなマーケティング手法が一般的でした。しかし、スマートフォンの普及やデジタル革新により、多くのユーザーがオンライン上で情報収集を積極的に行うようになったことから、企業側もユーザー環境に合わせたマーケティング施策を打つことが不可欠になっています。
地方創生×デジタルマーケティングのメリット
地方創生にデジタルマーケティングを取り入れることで、地域の魅力的な情報を広く発信し、地域経済の活性化につなげることができるでしょう。WebサイトやSNSで商品やサービスの認知を広め注目を集めたり、より多くの人に地方の魅力を知ってもらえます。
それにより地域の訪問者の購買意欲を促進し、観光客や投資家を引き寄せることができるでしょう。また、オンラインストアへの導線を作れば、地方の特産品をインターネット上で販売でき、地域経済の活性化につながります。
地方創生×デジタルマーケティングの難しい点
多くのメリットがある地方創生でのデジタルマーケティングの取り組みですが、導入するのに難しい点もあります。
実際、一部の地方自治体では積極的な活用やDX推進などにより、観光客や移住希望者の増加などの成果が上がっていますが、知識不足によりデジタルマーケティングの活用がうまくいかない自治体もあります。
デジタル格差やマーケター不足などの影響で、デジタルマーケティングの対象となる消費者の数が限られたり、デジタルインフラの整備やデジタルツールの活用が知識不足により効果的なマーケティングが困難な場合があったりするからです。
そういった場合は、デジタルマーケティングの重要性や活用法を理解し、導入手順や成功事例などから進め方を模索する必要があるでしょう。
地方創生×デジタルマーケティングを効果的に進めるステップ
デジタルマーケティングを活用するためには、ソーシャルメディアの適切な活用やコンテンツマーケティングの戦略を、効果的に進める必要があります。地域の特色や魅力を的確に伝え、ターゲットに正しくアピールできれば認知を広げ、ヒト・モノ・カネを呼び込めるでしょう。
ステップ1:地域をブランディングする
まずは地域の魅力を再認識し、地域の特性に併せて地域をブランディングをします。「○○と言えばここ」と、人々にイメージを付けることが地域ブランディングの第一歩です。地方の観光資材や特産品を洗い出し、地域の魅力的な要素を明確化しましょう。
方法としてはSWOT分析を行い、地域の強みと弱みを理解して戦略の方向性を決めると良いです。また、同時にブランドポジショニングを行うことも重要です。競合になりそうな地域と比較して、特有のイメージを持ってもらえるように地域をブランディングしましょう。
ステップ2:地域の認知を広げ、ファンを増やす
次に地域の認知を広げていきます。ここで活用するのが、デジタルマーケティングです。
SNSやメディアを通して発信することで、認知を広げ多くの人々の興味を引くことができます。
デジタル技術を活用し、TikTokを使ったライブ配信、地方イベントのオンライン化などでコミュニケーションを取り、ファンを増やしていきましょう。
ステップ3:ファン自らが地域について発信し、持続性を生む
地域創生は一度の施策で終わらず、持続的に取り組みが続くような仕組みを作ることがもっとも重要です。地域のマスコットキャラクターや特産品などに頼るのも悪い施策ではありませんが、一過性で終わってしまえば意味がありません。
一度訪れた人がまた足を運んでくれる、何度も商品を購入してくれるようなリピーターになってもらえるように、どんな属性の人がよく訪れてくれるのかを分析しましょう。
ターゲットの好みに合わせたサービスを提供できれば、さらに地域のファンになってくれ、ファン自身が発信し、地域の認知や魅力がより広がっていきます。
地方創生×デジタルマーケティングで重要なこと
地方や地元企業の魅力を発信するためには、情報の収集や人材の育成を行い、他では真似できないコンテンツを作り出すことが重要です。地方創生におけるデジタルマーケティングにおいて重要なことを考えていきましょう。
等身大の情報発信
他地域に負けないことを意識するあまり、大風呂敷を広げすぎてしまうことや大げさなアピールをすることは問題です。実際に訪れてくれた人に「思っていたところと違う」と思われてしまえば、ファン化できず魅力が広がっていきません。
ターゲットを定めて、等身大の情報発信を心がけましょう。
街全体を巻き込む
地域資源の力を最大限に活かすためには、人の繋がりを生むことが必要不可欠です。そのためにも地元住民の協力を仰ぎ、地域全体で取り組んでいきましょう。
地元住民も地域の魅力を再発見できるようなコンテンツを製作し、地域全体を巻き込んで地域を活性化させると良いです。
地方創生デジタルマーケティングの事例を参考にする
デジタルマーケティングの施策を駆使し、地域ブランディングを成功させた自治体はいくつもあります。デジタルマーケティングの活用イメージがうまくつかめない場合は、他の自治体の事例を参考にするとよいでしょう。以下のような事例があります。
- Webサイトで観光コンテンツを発信する
- SNSの動画コンテンツで地域の事業を発信する
- 農家から直接特産品を買えるECサイトを構築する
- クラウドファウンディングで資金調達し、海外に工芸品を販売する
参考にできる地方創生デジタルマーケティングを探してみましょう。
地方創生×デジタルマーケティングの成功例
デジタルマーケティングの活用により、地域創生に取り組んだ自治体の成功例を紹介します。
MUFG北海道推しごとオーディション
ひとつ目は、Z世代向けの企画・マーケティングを行う僕と私と株式会社と三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が協業で行った、「MUFG北海道推しごとオーディション」です。
北海道で社会課題解決に取り組む事業を公募し、インフルエンサーを起用した事業の紹介動画を製作、SNS上でイベント配信して、寄附につなげる取り組みが行われました。未来の社会の主役になる、Z世代の声を聞くことに重きを置いた施策です。
ダイヤモンドルート・ジャパン
ふたつ目は、福島・栃木・茨城が連携して行っている東京と3県を結ぶ広域周遊ルート、「ダイヤモンドルート・ジャパン」です。
外国人に刺さるテーマを押し出したプロモーション動画を作成し、訪日客数を増やしています。YouTube広告では、670万回再生を記録しました。歴史や侍をテーマにした商品を造成する、弓道体験を行うなど、新しい観光コンテンツの作成を続け、インバウンド需要の取込に力を入れた施策を行っています。
ないものはない海士町
最後は、島根県隠岐諸島の海士町が取り組む、「ないものはない海士町」です。人口2,000人ほどの小さな島では、無人島となる危機に際し、地元住民が一致団結して、プロジェクトを開始しました。
サザエカレーやいわがき春香など、地域資源を活かした仕事づくりを行い、SNSで特産品や島の魅力を発信する投稿が注目を集めました。地域の魅力である海、潮風、塩をキーワードに島を丸ごとブランド化し、オンライン集落を作る社会実験も行っています。
まとめ
地域創生におけるデジタルマーケティングの活用について解説しました。地域をブランディングし、ファンを増やして行くためにはデジタルマーケティングの活用が不可欠です。
今回紹介したポイントや成功事例を参考に、地方の特性や目標に合わせた戦略を立て、SNSを活用したコンテンツマーケティングやデジタルを活用したイベントに取り組んでみましょう。
デジタルマーケティングの力を最大限に発揮するためには専門的な知識も必要なため、地方自治体だけでの運用が難しい場合もあります。そんなときは専門家との協業や外注を検討してみてください。
また、他社のデータを使用することで、急速にマーケテイングが進むこともあります。ぜひ地方創生のデジタルマーケティングをお考えの方は、以下もご利用ください。